東日本ET研究会

2月5,6日の両日、秋田県秋田市において東日本受精卵移植研究会が開催され、出席してきました。 

当日は、穏やかな天候となり、積雪もほぼゼロでした。

 一日目のシンポジウムでは、「受精卵移植技術を活用した肉用牛の増産と牛群改良」というテーマで4題の講演があり、中でも千葉農済連の原先生の「F1雌牛飼育農場における黒毛和種増産の取り組み」が非常に興味深い内容でした。

交雑種200頭を母牛とする肥育一貫経営の農場において、受精卵移植の受胎率の低下への対策として2卵移植を実施したところ、受胎率の向上(60%)と生産頭数の増加(200頭の母体から300頭の子牛を生産)が見られたという内容です。

和牛子牛の生産基盤が減少する昨今、これを解決するヒントがたくさん詰まった取り組みだと思います。
しかし、受胎性を維持したり、周産期の事故を回避するための緻密な管理技術がその背景には当然、存在するということをフロアで伺い、なるほどと納得しました。

 二日目の一般発表では民間からOPU・IVF関連の発表が3題もあり、時代の趨勢を感じずにはいられませんでした。
渥美牛群管理サービスの長谷川先生は年間3千頭を超える移植を行う同施設で、体内胚だけでは移植する胚を確保できず、OPU・IVFに取り組んだ経緯を紹介。当初は20%台であったIVF胚の受胎率が、さまざまな改良を加えて一回当たりの発生卵数は低下するものの、作出される胚の品質が向上したことで、現在の受胎率は40%台にまで改善されていることを強調されていました。
 民間施設におけるOPU・IVF技術の進展が目覚ましい印象でした。
体内胚と同等の受胎率になるのももう時間の問題かもしれませんね。 
わたしもがんばらねば・・・。