趾間部に発生する皮膚炎





 趾皮膚炎は、痛みが非常に強く、患跂を浮かせて負重させないようにしたり、頻繁に左右の蹄を交互に踏みなおしたりするのが特徴的です。痛みの少ない負重部位で立つためか、あるいは、負重そのものが少なくなるためか、蹄低は、短期間で変形するケースが多いと感じます。処置の方法は、皮膚病変部への、抗生剤あるいはヨード剤の塗布、抗生剤の全身投与が選択肢としてあげられますが、蹄の変形が顕著であれば、蹄形を正常に削切してあげることが重要だと考えます。

蹄病の処置


 蹄の疾患が増加傾向にあるという話を雑誌で目にしますが、実際、私もそう感じます。弊社のクライアントの酪農家は、スタンチョン、タイストール形式が多いのですが、フリーストール、フリーバーン形式は、特に蹄病罹患牛の多発が、深刻な問題となっています。発症要因としては、栄養との関係、削蹄の技術、牛床の形態など様々で、まだ解明しきれていない部分が多いのが現状だと思います。
  しかし、蹄が痛い牛のストレスは、非常に大きいことは、容易に想像が付きますし、生産性の低下や、2次的な疾病の発症を招くことも充分あると思います。特に、生理的にストレスのかかる分娩前後のステージであれば、非常に深刻です。蹄病を予防するとともに、罹患した個体を、早期に発見、処置することが必要であり、我々臨床獣医師に求められる技術だと思います。