家畜感染症学会

6月6日、東京は南青山会館で開催された家畜感染症学会のシンポジウムに参加しました。

基調講演では東京女子医大の牧野康男 先生が「周産期における栄養管理と感染症コントロール」について講演され、産婦人科の分野では、さまざまなガイドラインに沿って実施される検査や管理体制のもとで妊婦の健康維持や分娩事故の回避が図られていることをお話いただきました。
人間も牛も妊娠期間は280日前後同じなんですね。でも、乳牛の場合は子供を育てるために泌乳するミルクの量が子牛10頭分ぐらいまで改良がすすんだため厄介なこと極まりないわけです。

しかし今回感じたことは、妊婦さんや新生児を扱うぐらい丁寧に大事に牛も扱ってあげないとだめじゃないかな、ということです。

栄養代謝が劇的に変化する乳牛の周産期に母体が楽に分娩前後を経過できるようにすることは、その後の生産にも繁殖にも耐用年数にも良い影響を及ぼすはずです。

 また、「乳牛の栄養・代謝と感染症」と題された午後のシンポジウムでは、新潟県のTAROファームケアクリニックの佐藤太郎先生が「農場における細菌検査と栄養管理による乳房炎対策」についての講演をおこない、農場サイドにおけるオンファームカルチャーの事例と乾乳期の栄養濃度を適正値に変更するとともにミネラル成分(特にMg)を規定量投与することで分娩後の低カルシウム症や代謝病の発生が減少したことを紹介されました。佐藤先生とは個人的にも知り合いですし、同じ臨床現場にいる獣医師として非常に刺激を受けました。